NX Nastran

有限要素法構造解析プログラム

NX Nastran 製品概要

21世紀にふさわしいソリューション

NASTRANは失敗の許されない宇宙計画から生まれた解析プログラムで、40年以上にわたり、あらゆる分野の厳しい要求に応え続けてきた高い信頼性と実績を持ちます。NX Nastranは、この高い信頼性と実績をそのまま継承し、最新の解析技術をふんだんに導入した21世紀にふさわしいソリューションです。

高度な非線形解析にも柔軟に対応

64ビットアドレス空間やクラスタマシンによる並列処理などの最新の機能を備えており、従来のNASTRANの枠を超え、大規模問題や高度な非線形解析にも柔軟に対応します。

NX Nastranは最新のソリューションであると同時に、過去に解析したモデルも最新のプログラムで処理可能で、過去の資産を無駄にせず効率的に継承できます。

NX Nastranソリューション

NX Nastranでは、以下の2つのソリューションをご提供します。

<エンタープライズソリューション-NX Nastran Enterprise>

Nastran Enterpriseは、部門/企業レベルのような大規模な組織での利用環境において、最高のパフォーマンスを発揮するスタンドアロン型ソリューションです。
ネットワーク環境下のサーバー上でご利用できますので、解析内容に応じて柔軟に導入数を選択できます。 Windows,UNIX,Linuxなどの複数のOSで動作可能で、Nastran入力ファイルを作成できる有限要素法プリプロセッサであれば、どのようなソフトウェアでもフロントエンドとして利用できます。
また、クラスタマシンによる並列処理が可能なので、極めて大規模な問題にもご利用いただけます。

<デスクトップソリューション-Femap with NX Nastran>

NX Nastranと有限要素法プリポストプロセッサFemapを統合した、コンパクトなソリューションです。
Windows上で、モデル作成から解析実行および結果の確認までの一連の流れをFemap上からすべて実行可能であり、小規模から中規模の解析をカバーします。
詳細は「Femap with NX Nastranの製品情報ページ」をご参照下さい。

また、以下の表のようにNX Nastran Enterpriseとの違いがあります

NX Nastran EnterpriseとFemap with NX Nastranの比較

項目 NX Nastran Enterprise Femap with NX Nastran
プラットフォーム Windows
Windows 64bit
Linux ×
Linux 64bit ×
UNIX ×
経済性分岐点 Basic 5ユーザ~ ~5ユーザ
Dynamic Response 3ユーザ~ ~3ユーザ
Advanced Nonlinear 2ユーザ~ ~2ユーザ
コマンドの制限 Include
プリプロセッサ制限 なし あり
柔軟性 リモート実行 ×
ジョブキュー ×
カード変更 ×
処理実績 モデル規模 2.5億自由度 0.2億自由度
解析機能 線形静解析
固有値解析
座屈解析
定常熱伝導解析
過渡熱伝導解析
ベーシック非線形静解析
ベーシック非線形過渡解析
線形過渡解析
周波数応答解析
スペクトル応答解析
応答スペクトル解析
ランダム応答解析
音響解析
複素固有値解析
アドバンスト非線形静解析
アドバンスト非線形過渡解析
アドバンスト陽解法非線形過渡解析
空力弾性解析
設計感度・最適化解析
Super Elements
DMAP
Rotor Dynamics
メモリ共有型並列処理-SMP
メモリ分散型並列処理-DMP ×
UNIX ×
Linux ×
Linux 64bit ×
周波数領域分割 ×
構造領域分割 ×
周波数-構造領域分割 ×

Femap with NX Nastranには、以下の利用制限があります。

1.Femapから書き出した解析モデル以外を解析することができません。
2.対応OSは、Windowsのみとなります。
3.対応OSの関係上、利用できない機能があります。(DMP)

NX Nastran 製品詳細

初期導入用のエントリパッケージです。

従来のNASTRANでのベーシック非線形解析も可能

基本的な解析機能はほとんどカバーしているため、初期導入には最適なパッケージ構成となっています。解析内容は、静解析、固有値、座屈の他、熱伝導解析、設計感度解析、また、従来のNASTRANでのベーシック非線形解析も可能です。

また線形静解析で、面対面での接触解析(サーフェイスコンタクト)を行うことができます。これは、NXNastranに独自に拡張された機能です。

このパッケージは、上位解析機能を追加する場合に必須になります。

▼Basicで実行可能な解析内容

線形静解析:SOL101 6自由度の拘束条件(固定条件)と、荷重条件(力/変位/加速度など)を設定し、静止した状態の変位/応力を算出する解析になります。構造解析では一番基本となる解析機能です。
固有値解析:SOL103 物体の固有振動数を算出する解析機能です。モード形状も算出されます。振動解析では一番基本となる解析です。
座屈解析:SOL105 主に、軸や薄板の圧縮時に発生する座屈時の力を算出する解析になります。
定常熱伝導解析:SOL153 物体内部の熱伝導を解析します。輻射も考慮可能です。熱分布が平衡状態になった温度分布を算出します。
過渡熱伝導解析:SOL159 物体内部の熱伝導を解析します。時間によって変化する温度、及び時間ごとの温度分布を算出します。
設計感度解析 設計した目標を満たす板厚/断面特性の方向(感度)を解析します。線形静、固有値、座屈解析と合わせて使用します。
ベーシック非線形静解析:SOL106 材料/形状非線形を考慮した静解析になります。大変形は考慮可能です。接触解析はGAP/スライドラインを使用します。
ベーシック非線形過渡解析:SOL129 材料/形状非線形を考慮した過渡解析になります。

Dynamic Responseパッケージ

Basic Bundleに追加することで、各種の動的な振動解析が可能になります。
時間領域と周波数領域の解析が可能です。
エンジン、輸送機器、メカトロニクスなど、振動が問題になる分野には必須の機能となります。

▼Dynamic Responseで実行可能な解析内容

線形過渡解析:SOL109/112 非線形を考慮しない、時刻歴での振動解析機能です。設定した時刻毎の解析結果が算出されます。
周波数応答解析:SOL108/111 周波数ごとの物体の応答を解析する機能です。物体の有る範囲での周波数ごとの応答を、一度の解析で算出することができます。
座屈解析:SOL105 主に、軸や薄板の圧縮時に発生する座屈時の力を算出する解析になります。
応答スペクトル解析:SOL109/112 スペクトル応答解析に使用する、励振スペクトルを解析します。
スペクトル応答解析:SOL103 衝撃のように、ごくわずかの時間で多数の振動が発生する物体の挙動の解析を行います。通常、応答スペクトルの解析結果を用いて計算します。
ランダム応答解析:SOL111 ランダムな振動に対する物体の応答を解析します。
複素固有値解析:SOL107/110 減衰も考慮した固有値解析を行います。
音響解析:SOL107/108/111 液体や気体内部に存在する構造に対して、振動による挙動を解析します。

Advanced Nonlinearパッケージ

接触や大変形、あるいは材料非線形を包括的に取り扱うことのできるモジュールです。
ベーシック非線形と異なる特徴として、

・コンタクトサーフェイスを使用可能
・大変形大ひずみ弾塑性が取り扱えるなどがあります。

▼Advanced Nonlinearで実行可能な解析内容

アドバンスド非線形静解析:SOL601/106 大変形、大ひずみを考慮した非線形静解析が実行できます。荷重の変化は時間依存の関数として定義することが可能です。
また、温度依存性を考慮した、非線形材料も設定が可能となっており、解析ソルバーにはスパースソルバーとマルチグリッドソルバーが選択でき、非常に高速です。
自動タイムステッピング機能(ATS)を使うと、一般的な非線形問題を高速に処理できます。また、飛び移り座屈などの高度な非線形問題を弧長増分法(LDC)で処理できます。
リスタート解析も可能です。
アドバンスド非線形過渡解析:SOL601/129 大変形、大ひずみを考慮した非線形過渡解析が実行できます。荷重の変化は時間依存の関数として定義することが可能です。
非線形解析の設定内容に関しては、静解析に準じます。
陽解法非線形過渡解析:SOL701 陽解法非線形過渡解析機能は中央差分法を使用し、対角化したマトリクス運動方程式を直接解きます。このため、従来は収束が困難であったような高度な非線形問題も処理できるようになりました。
陽解法ソルバー用のコンタクトサーフェイスもご利用いただけます

その他追加モジュール

▼Advanced Nonlinearで実行可能な解析内容

Aeroelasticity:空力弾性解析 飛翔体に対して、動的な解析を実行する際に用います。Advancedを使用することにより、超音速下での挙動も解析できます。
Optimaization:設計感度/最適化解析(SOL200) ビームやプレート要素に対して、目標値を満たす最適なパラメータを算出する解析を行うことができます。
SuperElements:スーパーエレメント 大規模モデルを縮退し、解析モデルの規模縮小を行います。また、大規模なモデルをパーツごとに作成することにより、モデル作成の並列作成/部分ごとの解析などを行うことが出来ます。
DMAP:Nastranカスタマイズ機能 Nastranの解析機能を用いて、計算を行うことが可能となります。
SDMP:並列分散処理機能 メモリ分散型並列処理(Distributed Memory Parallel Processing-DMP)を使用し、クラスタマシンなどでの解析の分散処理を行う機能です。
大規模なモデルの解析/解析時間の短縮を効果的に行えます。
Roter Dynamics:回転機械の動的応答解析機能 回転体に対して、コリオリ力やジャイロ効果を考慮した、固有値/周波数応答解析を行うモジュールです。

NX Nastran 動作環境

プラットフォーム
(ビルドタイプ)
対応64-bit OS
Intel Windows Win Server 2012 R2 Standard
Win Server 2016 Standard
Win Server 2019 Standard
Windows 10 Enterprize
X86_64 Linux
(Opteron/Xeon)
SuSE SLES 12
SuSE SLES 12 SP4
SuSE SLES 15 SP1
Red Hat ES 7.0
Red Hat ES 7.7
CentOS 7.0
CentOS 7.6
CentOS 7.7

NX Nastran 製品構成

NX Nastranは、以下のような基本モジュールと追加モジュールで構成されています。

項目 製品名 解析機能 必須製品
基本モジュール 1 NX Nastran Basic

線形静解析,熱伝導解析およびベーシック非線形解析機能をまとめた、お得なベーシックパッケージです。

●線形静解析
●固有値解析
●線形座屈解析
●熱伝導解析
●ベーシック非線形解析
2 NX Nastran Advanced Nonlinear Solver Bundle 「1」,「4」のバンドル製品
追加モジュール 3 NX Nastran Dynamic Response ●動的応答解析 1 or 2
4 NX Nastran Advanced Nonlinear Solver ●アドバンスト非線形解析 1
5 NX Nastran Aeroelasticity ●空力弾性解析 1 or 2
6 NX Nastran Optimization ●設計感度/最適化解析 1 or 2
7 NX Nastran Super Elements ●スーパーエレメント 1 or 2
8 NX Nastran DMAP ●DMAP 1 or 2
9 NX Nastran DMP ●DMP 1 or 2
10 NX Nastran Rotor Dynamics ●回転機械の動的応答解析 1 or 3
11 NX Nastran Advanced 「3」, 「5」, 「7」, 「8」, 「9」のバンドル製品 1

NX Nastran Enterpriseの製品構成詳細

NX Nastran 製品構成(Basic)

ものづくりの現場を見据えた、リーズナブルなエントリパッケージです。

現場の設計者が必要とする、ほとんどの解析問題をカバーします。
静解析、固有値、座屈の他、熱伝導解析、設計感度解析の他、定評のあるNASTRANのベーシック非線形解析も可能です。

また線形静解析で、サーフェイスコンタクト(線形接触解析)を行うことができます。これは、NX Nastranに独自に拡張された機能です。

このパッケージは、上位解析機能を追加する場合に必須になります。

Basicで実行可能な解析内容

●線形静解析 SOL 101
●固有値解析 SOL 103
●線形座屈解析 SOL 105
●定常熱伝導解析 SOL 153
●過渡熱伝導解析 SOL 159
●線形静解析-設計感度解析
●固有値解析-設計感度解析
●座屈解析-設計感度解析
●非線形静解析 SOL 106 大変形や材料非線形など、非線形性を伴う問題を解析する機能です。
非線形変形、塑性加工や破壊の検証、あるいはクリープ問題などに対する最適なソリューションです。
●非線形座屈解析
●非線形過渡解析 SOL 129

NX Nastran 製品構成(Dynamic Response)

Basic Bundleに追加することで、ダイナミクス解析が可能になります。
現場の設計者から解析のプロフェッショナルまでの、ほとんどの解析要求をカバーします。

Dynamic Responseで実行可能な解析内容

振動など、動的な問題を取り扱うのに適した解析モジュールです。
時間領域と周波数領域の解析が可能です。エンジン、輸送機器、メカトロニクスなどの分野に最適です。

●過渡解析 SOL 109/112
●周波数応答解析 SOL 108/111
●応答スペクトル解析 SOL 109/112
●スペクトル応答解析 SOL 103
●ランダム応答解析 SOL 111
●音響解析 SOL 107/111/108
●複素固有値解析 SOL 110
●非線形固有値解析
●非線形複素固有値解析

NX Nastran 製品構成(Advanced Nonlinear)

接触や大変形、あるいは材料非線形を包括的に取り扱うことのできるモジュールです。
コンタクトサーフェイスや、大変形大ひずみ弾塑性が取り扱えます。

Advanced Nonlinearで実行可能な解析内容

●アドバンスト非線形静解析 SOL 601/106
●アドバンスト非線形過渡解析 SOL 601/129
●陽解法非線形過渡解析 SOL 701

<非線形解析機能>

非線形静解析と非線形過渡解析が実行できます。荷重の変化は非線形静解析も非線形過渡解析も時間依存の関数として定義し、共有することもできます。
解析ソルバーにはスパースソルバーとマルチグリッドソルバーが選択でき、非常に高速です。
自動タイムステッピング機能(ATS)を使うと、一般的な非線形問題を高速に処理できます。また、飛び移り座屈などの高度な非線形問題を弧長増分法(LDC)で処理できます。 リスタート解析も可能です。

<幾何学的非線形性の考慮>

モデルの変形は回転を含む、大変形小変形のどちらもサポートします。
大変形小変形のいずれに対しても小ひずみ,大ひずみを考慮できます。小変形小ひずみは線形解析と同じ手法で計算されます。

<材料非線形性の考慮>

弾塑性,超弾性,クリープ,非線形弾性、およびパッキン等の解析で使用できるガスケット材料も考慮します。弾塑性の特性を含む構造特性について温度依存性を考慮できます。
さらにひずみなどのしきい値を超えた要素を構造マトリクスから除く、要素消滅機能も利用できます。小変形小ひずみで材料非線形性を考慮した解析も可能です。

<コンタクトサーフェイス>

ソリッド要素表面とシェル要素表面について、サーフェイスコンタクトを定義できます。コンタクトは接触現象を模擬することができます。
ジオメトリベースでメッシュが生成された場合、サーフェイスでコンタクトする領域を指定することもできます。サーフェイスコンタクトでは、摩擦、固着も扱えます。両面コンタクトや自己接触も考慮できます。

<陽解法非線形過渡解析機能>

陽解法非線形過渡解析機能は中央差分法を使用し、対角化したマトリクス運動方程式を直接解きます。このため、従来は収束が困難であったような高度な非線形問題も処理できるようになりました。
陽解法ソルバー用のコンタクトサーフェイスもご利用いただけます。

NX Nastran(DMP)

メモリ分散型並列処理(Distributed Memory Parallel Processing-DMP)を使用するための追加モジュールで、クラスタマシンなどでの解析の分散処理を行う機能です。
OSは、UNIX,Linux,Linux 64bitで使用可能です。

以下のようなハードウェア構成の場合、DMPの実行が可能となります。
ただし、高性能計算機をノードとするクラスタマシンでの使用が最も効果的です。

スレッドベース

1CPUに複数のスレッドがある場合

マルチ(コア)プロセッサ

1CPUに複数のCPUコアがある場合
1計算機に複数のCPUがある場合

クラスタマシン

複数の計算機をEtherなどで接続したもの

NUMA(非対称メモリ割り当て)

SMP構成のユニット(メモリ+CPU)を高速回線で結んだもの

クラスタマシン

クラスタマシンとは、独立した複数のコンピュータをネットワークで結合し、個々のマシン(ノード)間および制御用マシン(マスター)との通信と処理を並列で行うシステムです。
DMPは1ライセンスで最大256台のコンピュータ(クラスタ化されたマシン群)による並列処理が可能で、巨大なモデルの解析結果を現実的な計算時間で得られるようになります。

DMPが実行可能な解析内容

DMPは以下の解析内容で実行可能です。

●線形静解析 SOL 101
●実固有値解析 SOL 103
●直接法周波数応答解析 SOL 108
●モード法周波数応答解析 SOL 111
●モード法過渡解析 SOL 112
●設計感度・最適解析 SOL 200

並列化方法

DMPによる並列処理では、モデルを形状領域または周波数領域に分割し、各部分での解析を実行してその重ね合わせとして、解析結果を得ます。

  • 形状領域分割
  • 周波数領域分割
  • 形状-周波数領域分割